大学の研究で気付いた「人の考えから視野を広げること」は、お客さまとの信頼関係構築に大いに生かされています。浅野拓也さん(2014年4月入社)東京理科大学理学部第一部応用化学科
勤務先
株式会社守谷商会
(商社)
職種
法人営業職
試験機の提案営業を通じて、
最先端の研究を支える
私は現在、入社2年目で、大学や民間企業、官公庁の研究開発部門への提案営業を担当しています。研究に欠かせない、様々な試験機、例えば振動を発生させる振動試験機や、金属やコンクリートなどの材料自体に、どれくらいの「強さ・硬さ・弾性」があるのかを、「伸ばす・圧縮する・曲げる・ねじる」といった方法で測る材料試験機などの導入を提案しています。
試験機を単体で提案するわけではなく、関連する計測器や周辺設備を含めてトータルで提案していくのが私たちの営業スタイルになります。
大学での研究活動から
「人の考えを受けて視野を広げる」
ことの重要性を認識
大学では化学を専攻していました。最初の3年間は研究室で卒業研究を行うベースを作るため、基礎化学(物理化学・有機化学・無機化学)を幅広く選んで勉強しました。
幅広く学ぶなかで、「カタチに見えやすく、他人からもわかりやすいこと」がモチベーションにつながっていると気付き、研究室配属後は日々の生活の中で必要な医薬品や化粧品の原材料となる化合物の合成を行う、有機合成化学を研究対象に選びました。私は既存の合成法をさらに効率化する際の方法論の確立をテーマに、考案した合成ルートで実際に反応解析を行い、実現できるかどうかを検証する研究を行いました。方法論を考えるのが半分、手を動かすのが半分です。
実験開始当初は思い通りに成果が出ないことが続き、本当に辛い思いをしたのですが、一度研究の手を止めてなぜうまくいかなかったのか振り返ったとき、自分で考えられる範囲でしか物事をとらえられていなかったことに気付きました。そこで全く違うジャンルの研究者の方にお会いしたり、学会に出向いたりすることで、失敗と思われた結果も、他の研究に触れて得た別の視点から見ると新たな発見につながることがありました。「人の考えを受けて視野を広げる」大切さに最初から気付けていれば苦労もしなかったのかもしれませんが、今となっては良い経験になりました。
「人の意見を取り入れながら
自分のものにしていく」という
研究活動の経験は、
仕事にも生きています
この学びは、今の仕事にもつながっています。当社では基本的に受注前の設備計画の提案から納入後のアフターケアまでを1人で担当します。特に今の部署では、複数のメーカーの機器を組み合わせて新しい装置をつくるような大型の案件もあります。打ち合わせでも全く新しい分野が多く、専門用語が飛び交う環境なので、新しいものに対していろいろな人の意見を聞きながら進めていくことの大切さを認識しています。
メーカーの担当者から教わったり、上司や先輩に常に相談したりと、自分1人で抱え込むのではなく人の意見を取り入れながら自分のものにしていく仕事の進め方には、研究活動での経験が生きていると感じています。わからないことばかりの日々ですが、先輩方に、過去の事例を参考にしたり、これまで導入実績がない機器の場合は、どういった情報を取ってくるべきかを相談したりすることもあります。
お客さまからの大きな信頼を得て、
抱える課題を相談される
担当者になりたい
世の中の最先端の研究分野に触れ、それを支える仕事がしたいと感じたため、当社を選びました。機械は1件あたりの投資額が大きく、また新規設備を導入する場合には正常稼働しないリスクもあり、提案を簡単には受け入れてもらえません。
そのなかで新規導入を決断していただくには、信頼関係が不可欠です。強固な信頼関係を築き、研究のプロが抱える課題を相談され、その解決策を提案できる担当者になりたいと思っています。それにはまず、既存の設備のフォローから信頼関係を構築することが大前提となります。
楽しいことばかりではありませんが、大学生に戻りたいと思うことはないくらい、社会人の触れる世界は広く面白いです。社会人になってから「もっと勉強しておけばよかった」「もっと遊んでおけばよかった」と後悔しないように、大学時代に勉強も遊びも全力で取り組んでみてください。